かぐや姫の物語
★★★★★
出演:朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子
(ネタバレ)
日本人ならば誰もが知っている昔話『竹取物語』。月からやってきたかぐや姫が竹取の翁と媼に育てられ、やがて月よりの使者に迎えられて月世界へと帰っていく。だが、かぐや姫はなぜ赤子の姿で地球へとやってきたのか?原典に記された「かぐや姫の“ 罪 ”」とは一体何なのか?古(いにしえ)より語られ続けた謎多き物語の真実とは。(Wiki)
見てきました。大満足です。珍しく不満はほぼないです。
『かぐや姫の物語』
黒澤明を思い出さずにはいられない、質感のある雨を見せられるとは思いもしなかった。あの絵のタッチだからこそ描けたものだなと。記憶では雨のシーンは二箇所だったはず。ひとつは『まあだだよ』、もうひとつは『七人の侍』だなと思い込むことにした。
— きゃりー山田 (@k1muAtoZ) 2013, 11月 24
「雨」の描き方が記憶に残る。
黒澤明の作品で見ることができる力強い雨、本作品では雨さえも生きているような気がしてならない。
人工的なモノ以外の全てが生きている様に感じられるのだが、今回の絵のタッチの恩恵を最大限に受けたのは「雨」なのではないだろうか。
『かぐや姫の物語』
月へと向かう途中、かぐや姫が振り返った先には地球が見える。『竹取物語』では月という存在はあっても、地球の存在は認知されていなかったはず。自分はこんなにも広大な世界のほんの一部でしか生活をしていなかったという意味なのか、それとも何か特別なメッセージ性があるのか。
— きゃりー山田 (@k1muAtoZ) 2013, 11月 24
『かぐや姫の物語』
夜中に書いた地球については間違いだった。
穢れた場所とされている地球に「憧れを抱いた(罪)」かぐや姫は「地球に送られる(罰)」。ラスト、地球を返り見るのは、地球は美しい場所であったという肯定の意志が明確にされたものではないかと。
— きゃりー山田 (@k1muAtoZ) 2013, 11月 25
月へと帰るかぐや姫が、地球を振り返り見るシーンがある。
地球が映った時はあまりの不自然さに驚かされた。考えてみれば月も充分不自然なものではあるが。
当初は上のツイートの様なことを考えたのだけれども、
罰として地球で生活、成長していき、一度は「ここにいたくない」と否定するものの、結果として生命あふれる尊い場所として肯定したのではないだろうかと。かぐや姫が出す「生きるために生まれてきた」という答えもそれ故か。
罪と罰について。
『竹取物語』では罪が明確に記されていない。
『かぐや姫の物語』では、かぐや姫は穢れた場所である地球に憧れるという罪を犯したがために、その地球へ流刑(島流し)になったという解釈が妥当なのでは。
『かぐや姫の物語』
媼が母乳をあげるシーンは『おおかみこどもの雨と雪』を思い出す。おおかみでは、自分が産んだ子供に母乳をあげるという自然な行為にも関わらず、獣要素のせいでそこには若干の不自然さがある。かぐや姫では、竹から生まれてきた子に母乳をあげる不自然さが云々。
— きゃりー山田 (@k1muAtoZ) 2013, 11月 24
『かぐや姫の物語』
かぐや姫は産んだのではなく、拾ってきたことを踏まえると、媼の落ち着きっぷり、翁の悲しみっぷりがよく描けているなあ。ここでも『おおかみこどもの雨と雪』を思い出してしまったけど。親と子の別れ方が似ている気がする。
— きゃりー山田 (@k1muAtoZ) 2013, 11月 24
@シネマックスつくば シネマ9
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