かぐや姫の物語

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★★★★★

監督:高畑勲 脚本:高畑勲坂口理子

出演:朝倉あき、高良健吾、地井武男宮本信子高畑淳子田畑智子

(ネタバレ)

日本人ならば誰もが知っている昔話『竹取物語』。月からやってきたかぐや姫が竹取の翁と媼に育てられ、やがて月よりの使者に迎えられて月世界へと帰っていく。だが、かぐや姫はなぜ赤子の姿で地球へとやってきたのか?原典に記された「かぐや姫の“ 罪 ”」とは一体何なのか?古(いにしえ)より語られ続けた謎多き物語の真実とは。(Wiki)

  見てきました。大満足です。珍しく不満はほぼないです。

 「雨」の描き方が記憶に残る。

 黒澤明の作品で見ることができる力強い雨、本作品では雨さえも生きているような気がしてならない。

 人工的なモノ以外の全てが生きている様に感じられるのだが、今回の絵のタッチの恩恵を最大限に受けたのは「雨」なのではないだろうか。

 月へと帰るかぐや姫が、地球を振り返り見るシーンがある。

 地球が映った時はあまりの不自然さに驚かされた。考えてみれば月も充分不自然なものではあるが。

 当初は上のツイートの様なことを考えたのだけれども、

 罰として地球で生活、成長していき、一度は「ここにいたくない」と否定するものの、結果として生命あふれる尊い場所として肯定したのではないだろうかと。かぐや姫が出す「生きるために生まれてきた」という答えもそれ故か。

 

 罪と罰について。

 『竹取物語』では罪が明確に記されていない。

 『かぐや姫の物語』では、かぐや姫は穢れた場所である地球に憧れるという罪を犯したがために、その地球へ流刑(島流し)になったという解釈が妥当なのでは。

@シネマックスつくば シネマ9