2014年3月新作鑑賞

A(2014年ベスト候補)、B(良)、C(並)、D(残念)、E(2014年ワースト候補)

■A

メビウス★★★★★

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キム・ギドク最新作『Moebius』については時間があるときに個別記事として投稿するつもり。

チョ・ジェヒョンとのタッグ再び!」というだけでも見たくなってしまう作品だ。85分間、セリフはほぼ0!

それでも夜は明ける★★★★☆

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長回しによる緊迫感は勿論のこと、主要キャストの演技に釘付けになり続ける134分間。

痛々しい映画に違いはないが、目を背けるのではなく、しっかりと記憶に残そうと思える痛々しさだった。今作における鞭打ちシーンは長回し効果も相乗して凄まじいものになっていたし、首吊りを長回しで見せるシーンでは雇う側と雇われる側の強烈な主従関係が窺える。
ブラッド・ピットの演技は別として、存在はとても素晴らしいものだった。あまりにも重すぎる話に良き塩梅を持たせることができるのは、スターであるブラッド・ピットしかいない。

Seventh Code:セブンスコード★★★★☆

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黒沢清が、元AKB48前田敦子を迎えて新作を撮った。

CDに”””おまけ”””として付いてくるDVDにて視聴。これが”””おまけ”””なのだから今の映画業界というのは不思議なものだ。

前田敦子のアクションシーンが弱々しくて最高である。このアクションシーンは『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』で見れるそれと一緒である。

最後の車爆発炎上シーンをロングショットで撮影してるのが面白いし、思い返せば冒頭の車を追いかけるシーンもロングショットでの撮影であった。

前田敦子AKB48卒業後は、中田秀夫山下敦弘黒沢清の作品に主役として出演し、好調な滑り出しである。

■B

アナと雪の女王』&『ミッキーのミニー救出大作戦』★★★★

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アナと雪の女王』は2D字幕版で鑑賞。2012年年末から2013年にかけて大ヒットした某ミュージカル作品と比べ、さらにアニメーションによるミュージカル作品はこんなにも素晴らしい物なのかと感銘を受けた。劇場側の不備でセリフが聞き取りづらいという事案が発生したので、各歌についてはノーコメント。同時上映の短編『ミッキーのミニー救出大作戦』は3Dで見ていればもっと評価が高くなったはず。2D版でも「音」の部分で十二分に楽しませてもらったが。

あなたを抱きしめる日まで★★★★

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第三者の怒りがあることでバランスが良くなった傑作。ただバランスが良すぎる気も。

『白ゆき姫殺人事件』★★★★

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面白かった。ネットとは無縁の、ろうそくの火によるモールス信号による言葉の伝達が良かったし、赤星(綾野剛)と容疑者である城野美姫(井上真央)との巡り合わせ方も上手かった。

ワイドショーを映画のワンシーンとして見せてくるあたりも面白い。

ローン・サバイバー★★★☆

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傷口に土を詰め込む所が最も痛々しい。

鑑定士と顔のない依頼人★★★☆

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肖像画を飾っている隠し部屋の撮り方。たいていの映画であれば、肖像画を多数飾っていることを隠し部屋に入った時点で全体を映すはず。しかし、今作ではそのようには撮らず、部分部分を映していく。そこに違和感があった。最後にはその違和感が解消される。そういうこと。

今作は白髪染め、デヴィッド・O・ラッセルの『アメリカン・ハッスル』はカツラ。似たようなものを感じる。

■C

ドン・ジョン★★★

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撮り方は別とし、「これは的を得ている」と感じるのは最初だけ。

『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊★★

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脚本担当は米村正二なのだが、相変わらず酷い脚本だった。いのくままさおの撮影も統一性がなく微妙だった。それでも左翔太郎(桐山漣)を見れるのだからお金を払って劇場に行く価値はある。

銀の匙 Silver Spoon』★★

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可もなく不可もなく。
実写としての成功は北海道の広大さを見せたことと、いのちの食べ方をきちんと見せたことくらいか。後者については『ブタがいた教室』には劣ってしまうが。

吉田恵輔らしさを感じることが出来る部分があまりにも少なかったことが残念ではあるが、青春の1ページとしては◎。

■D

ロボコップ(2014)』★☆

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盛り上がれない。二作目に期待するしかないのが残念だ。この映画は面白くないんです。ごめんなさい。

魔女の宅急便(2014)』

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「箒で空を飛ぶ」のをどのように魅せるのかなと注目していたのだけれども、基本的に画面真ん中に人物を置いて、ぶら下がっているような飛び方だったのが残念。

ハリーポッター』シリーズでは奥から前へ、横から横へと実際に飛んでいるかのような躍動感を感じることがでできていた。

(3月1日~3月31日)