2014年7月新作鑑賞
A(2014年ベスト候補)、B(良)、C(並)、D(残念)、E(2014年ワースト候補)
■A
『怪しい彼女』★★★★★
マルスンが偽名を騙る際にオードリー・ヘプバーンから引用するのは、身分を隠さなければいけないということに繋がる。(『ローマの休日』で彼女が演じたアンは身分を隠す)
ミネバ・ザビも身分を隠すために「オードリー」と名乗ったのであった。
ジハが自転車で会場に向かうとあるシーン。
オ・ドゥリは「出血により老いが戻る」こというとを事前に説明しておくことで、ジハが取った行動の結末は容易に想像がつく。その結果に行き着くまでの魅せ方が最高に上手かった。
まるでジェットコースターに乗った気分。
ファン・ドンヒョク監督は『トガニ 幼き瞳の告発』からは想像もつかないコメディ傑作を誕生させた。
『サードパーソン』★★★★☆
虚構のみで成り立っていく巧みな構成に没入させられる。
現実パートはどこなのか。「最初と最後の暗い室内のみ」なのではないかと考える。
評判通りの面白さで困っちゃいました。
■B
『GODZILLA ゴジラ』★★★★
IMAX3D版を見てきた。
カウントダウンがGODZILLA仕様になっていたことに気合を感じた。
肝心の本編は苦手なロードムービーだったのでガッカリでしたが、「おもしろい」ことには変わりない。ラストの放射熱線を吐き当てる角度は普通じゃない。
『ゴジラ』公開時は反核、水爆実験に関するシーンをカット、エメリッヒ版『GODZILLA』ではフランスの核実験でゴジラが誕生したとし、エドワーズ版『GODZILLA』では水爆実験はゴジラを殺すためにしていたとしたアメリカ。
ゴジラ、ムートーを極力見せないようにする演出は興味深いが、もっと見せて欲しかったというのが本音。
『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版』★★★☆
ニコ生でのシリーズ一挙放送から史上最恐の劇場版まで見た。
支持率の高い白石晃士作品なんて見るものか!と決めていた自分の運命に逆らってみた。
今作自体は物足りなさがあったが、コワすぎシリーズの面白さは異常だった。こりゃあ支持もされるわけだ。
白石晃士過去作品もレンタル可能なものはひと通り見た。『グロテスク』が頭ひとつ飛び抜けてる印象。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』★★★☆
繰り返すことで、成せないことを成せるようになっていくという、神ゲーである「ムジュラの仮面」を思い出す設定に大興奮(最後は戻れないというのもミソ)。
突出している部分はなかったが、面白かった。
■C
『思い出のマーニー』★★★
最後、それまでに至る過程を思い出すと泣きそうになった。だけど、少々駆け足だったかな。
杏奈というキャラクターだけを考えると、マーニーという自分にとって特別な人と「このことは絶対に秘密」という約束をしておきながらも誰かに話そうと企んでいるのが恐ろしい。
「ジブリ作品でスマホを見てみたい」という希望が叶った。叶ってしまった。
『ダイバージェント』★★★
体感時間180分超えの詰め込みっぷりに圧倒された。
訓練中は楽しいが、それ以外はお粗末。
そもそも性格診断が「最終的には自己決定」ということによって意味を成していないと思う。
これは『ハンガー・ゲーム』でも感じたことなので、次回作に期待するしかない。
『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』★★★
時系列はミッチが貴虎を倒した後。脚本はニトロプラスの銅屋ジン。
サッカーの入れ方は無理矢理感たっぷり。忘れた頃に復活するサッカーには爆笑。
そのサッカーパートを消し飛ばすくらい面白いアクションシーンが見れるので必見。記憶の中では『運命のガイアメモリ』ぶりのバイクアクションに興奮。そのバイクアクションを見せるのがバロンだというとこに注目。肝心の鎧武は劇場版クオリティで乗馬をしている。
乗馬シーンでは荒野に出来た水たまりで走らせることで迫力を出すという工夫が見受けられた。
最終決戦ではライダーチームが集合する。サッカー同様に11人、勿論敵への攻撃はサッカーのパスによる連携攻撃。戦極、シドが足りないことは目を瞑った。
ジンバーメロン登場はいつになるのだろうか。 https://
『烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS』★★
宇宙じゃなくて過去から列車が来ていたり、逆に行っていたりなんかしたらまんま電王だった。
毎年のことだが、戦隊物は休憩タイム。
■D
『ホットロード』★★
『ホットロード』 もう一度、あの頃のあの子たちに逢いたい - 週休一日を満喫中
『DOCUMENTARY of AKB48 The time has comu 少女たちは、今、その背中に何を想う?』★★
大島優子卒業に重点を置き、2013年を消し飛ばしたシリーズ4作目。
超えられない壁を越えようとする者、その者を目指す者達、目指すことすら不可能な者達。
第一に大島優子卒業、第二に大組閣、第三に握手会での傷害事件。
グループとして活動の岐路に立たされる出来事でまとめあげたのは上手いと感じた。
今作は単なる記録映像であるが、大島優子卒業という一大イベントを踏まえると「これはこれでアリだったんじゃないかな」と思い返し始めてる。
再び、岩田華怜にスポットが当てられたのも良かったです。
特典の生写真は島崎遥香でした。
『複製された男』★★
蜘蛛は、アダムが講義でも言っているように、支配者と考えると物語がすんなりと頭に入ってくる。メアリーが蜘蛛の擬人化だとも捉えられる。
そもそも「複製された」という邦題がややこしくてしている原因。原題の『ENEMY』こそが正しく、敵=女性なのだと考える。
アダムはメアリーとの生活から脱するも、ヘレンとの新しい生活が始まろうとする。それが、講義内でも言っている「支配の歴史は繰り返す」である。
今作はもう一度見たいなんて気持ちは湧いてこないし、普通につまらない部類の作品だ。
『アンダー・ザ・スキン 種の捕獲』★☆
スカーレット・ヨハンソンの旬は過ぎた。
■E
『マレフィセント』★
マレフィセントが翼を失うということが、アンジー自身の乳がん予防として行った乳房切除に繋がっているのではないかと感じた。
今回も、「真実の愛とは」を問う。
何一つ目新しい物はなかったのでワースト候補な作品です。脚本に関しては苦笑せざるを得ない。
エル・ファニングは相変わらず美人だった(とりあえず)。
人間様ではない異種と分かり合おう、共生し合おうとする昨今の流れは作品をつまらなくしていく一方だ。
(7月1日~7月31日)