2014年10月新作鑑賞
A(2014年ベスト候補)、B(良)、C(並)、D(残念)、E(2014年ワースト候補)
■A
『ファーナス 訣別の朝』★★★★★
2014年ベスト確定。
開始早々、ウディ・ハレルソンの暴力シーンから釘付け。ライフルを構えたチャンベの姿なんてぐうの音も出ない程のかっこよさ。各ショットの撮影もすげーよ。
撮影監督が日本人だということに驚き。センスの塊だ。
文句なしですと言いたいが、一点だけ気に入らないところがあった。置き手紙はサムい。
『アバウト・タイム 愛しい時間について』★★★★☆
オチ以外はとても良いです。「今日が最後の一日だと思って~」よりも「一日を二度過ごす」の方が作品全体のバランスが取れてる気がする。
父親と永遠の別れをキメに行く瞬間から涙が出てくる。いや、葬式の段階から見ている側は既に感動がキマってる。
リディア・ウィルソンって『わたしを離さないで』にも出ていたのね。
『太陽の坐る場所』★★★★☆
クラスの生徒が皆で皆既日食を見るシーンが二度ある。一度目は山谷花純(水上由紀・高校時代)だけを捉えたショットを見た時、「全員が太陽を見上げているショットが見れたら面白いのに」と感じた。すると、クラスの全員が偏光グラスを付けて太陽を見上げているショットが後に用意されていたではないか!そこが何とも言えないシュールさで良かった。太陽が月に覆われ、その姿が見えなくなるのが「日食」である。日食のタイミングで、存在が太陽であった響子の頂点という立場が崩れていく。
二度用意されていたのにはその日の出来事を二人の視点で語るということがあるからであり、二度目を見た時に校内ヒエラルキーが崩壊したのはその二人のせいだったのではないかと思えてくる。
もう一つ気になったのは墓地のシーンで、山谷花純が階段を降りてきて画面から消えると、森カンナ(水上由紀)が階段を登ってきて姿を現すという一連の流れ。このように過去と現在が同一シーン内で交錯するのはとても大好きな演出だ。
『蜩ノ記』★★★★☆
小泉堯史のそつの無い仕事ぶりに拍手。
今作における「雨」は不吉な前触れに使われていることに注目。雨といえば黒澤、昨年の『かぐや姫の物語』などを思い出す。
大友啓史は今作を見て、子役にはどういった演技をさせるべきなのか今一度確認すべきだと思う。
■B
『サスペクト 哀しき容疑者』★★★★
面白すぎた。
あのラストでなければ危うくベスト候補になってしまうほどであった。それにしても韓国の映画関係者はボーンシリーズへの憧れが強すぎるんじゃないかな。
撮影監督イ・スンジェはナ・ホンジン組と知って荒々しい動きのカメラワークに納得。
■C
『荒野はつらいよ アリゾナより愛を込めて』★★★
『プロミスト・ランド』★★★
好き側の作品ではあるんだけど、何をしたいのか本当に分からなくて頭抱えた。
『ザ・テノール 真実の物語』★★★
字幕が酷い。「俺、歌いたい」ってなんだよ。
『ヘラクレス』★★★
預言者の人も脳筋なんだよね。ヘラクレスのパーティは全員脳筋だからかなりバランスが悪い。それでもパワーイズジャスティス、パワーイズゴッドだから、脳筋こそ一番だってはっきりわかんだね。
なぜかダークソウルをやりたくなってきた。
■D
『泣く男』★★
つまらない映画ってのははっきし分かんだね。
演技による虚ろ目って本当に嫌い。
(10月1日~10月31日)