2014年11月新作鑑賞

A(2014年ベスト候補)、B(良)、C(並)、D(残念)、E(2014年ワースト候補)

■A

『クローバー★★★★★

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驚くほど良すぎてため息が出た。

古澤健作品を好きになる日が来ることになるなんて予想すらしていなかった。

文句のつけようのない演出の数々に感動。
ハッとした時ってのがエンドクレジットのタイミングなので、語るに語れない状態。でも、こういった作品こそ大切にしておきたい気持ちでいっぱいである。

少女漫画原作あるあるの「んなわけあるか」と感じる瞬間が皆無。製作会社としても「古澤健ならやれる」という思惑があったからこその采配だったのかと妄想。
編集の李英美にも注目しておきたい。

脇を固める永山絢斗夏菜木南晴夏も素晴らしい。

■B

インターステラー★★★★☆

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「ノーランは大好きな監督なので贔屓目で最高でした」

しかし、相変わらずガチガチに凝り固めた映像に拘ってしまっているせいで、人物描写がイマイチだし、演者も入りきれていないところが見受けられた。

後にも先にもノーラン映画において役に入り込んだのはヒース・レジャーただ一人だったなと、ここで再び『ダークナイト』をよいしょしておきます。
ラストの締め方をそろそろ変えてほしい。

これまでも、これから先も映画史に残るのは『2001年宇宙の旅』だということは揺るぎない。ノーランは『インターステラー』で、キューブリックが描かなかった先を描いたことに違いはないけど。

まほろ駅前狂騒曲』★★★★

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「このシーン、本当はキスしようとしたんだけどシートベルトがキマっちゃったみたいだよ」

って会話をしていた隣の席の母娘。

紙の月★★★★

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国内映画賞において小林聡美の助演女優賞獲得待ったなし!

スクリーンに小林聡美が映し出された時の緊迫感が凄まじかった。

会議室にて宮沢りえが椅子に座っており、小林聡美が立っているあのショットがたまらない。

時代設定は1994年。

1994年の流行語大賞宮沢りえが「すったもんだがありました」で受賞しており、「同情するなら金をくれ」もこの年の大賞である。実際にはバブル崩壊の翌年ってだけなんだろうけど。

ラストは桐島同様に画面が白くなってクレジットが始まる。味をしめたか。

原作既読、NHKドラマ版未見。

寄生獣★★★★

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悪童日記★★★★

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国境越えのシーンにおいて、ロングショットがもたらす緊張がパない。

『扉の少女』★★★☆

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第15回東京フィルメックスにて鑑賞。

■C

『ONE ON ONE(原題)』★★★☆

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第15回東京フィルメックスにて鑑賞。

さまよう刃★★★☆

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小野寺の弟・小野寺の姉★★★

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向井理ムロツヨシと居酒屋で飲みながら過去を振り返る辺り(終盤)で急に湿っぽくなりだしたので寝落ちした。

目が覚めた時は畳貯金していた金を渡しているところだった(最後)。

もともと、寿美菜子が出演しているからという理由で見に行ったのだが、過去を振り返る流れ以外は概ね良かった。それに、能年玲奈も絶賛していますし。

イコライザー★★★

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 鉄鋼キリを付けたインパクト、高圧釘打ち機、ハンマーなどが殺人道具と化す物語後半のアクションシーンは超必見。今流行の「DIY」の着地地点がこの映画にある気がする。特に高圧釘打ち機で釘を撃ち込んでく姿はカッコ良かった。

暗くて判りにくいシーンがたくさん。こんなのがカッコイイとでも思っちゃったのかな。

デンゼル・ワシントンクロエ・グレース・モレッツも好きじゃない。

『テロ,ライブ』★★★

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途切れのないテンポのおかげで寝落ちすることなく見終えた。

終始、私欲のためだけに動くハ・ジョンウが最高にツボった。

イ・ギョンヨンも同様に私欲のためだけに行動。そして事を終えれば即時撤退。最高。

ニュース映像をもうちょい上手く利用できたんじゃないかな。

『楽園追放 Expelled from Paradise』★★☆

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■D

『フューリー』★★☆

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釘付けになりながら見ていたが、思い返してみるとそれほどでもないような。

昨年公開された『エンド・オブ・ウォッチ』が超面白かったせいでエアーをよいしょしていましたが、本当は力量はないのかなと。

「十字路→十字架→キリスト」って最高にくだらない。

サボタージュ★★

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脚本の粗さはは目をつむることにした。

どんなに酷くても、最後のシュワルツネッガーのカッコよさが全てもカバーしてくれる!!!

ニンフォマニアック Vol.1&Vol.2』★★

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童貞は行動を間違えるってはっきしわかんだね。

極論を言えば「洋モノ」は苦手。

美女と野獣

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レア・セドゥにお伽話ってのが超似合わない。

二度鑑賞したのだが、一度目は15分くらいしたらエンドクレジットまで爆睡してた。

■E

神さまの言うとおり

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三池のやっつけ仕事ぶり発揮。とりあえず言われたものはやりましたよってな具合の仕事人。この手の部類だと『ヤッターマン』の方が格段に面白い。

それにしても、タイトルインのダサさだけは変わらないな。

続編を匂わし、今作だけでは完結しきっていない作りなのでワースト入り。

日々ロック

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つまらなかった。くどい。

原作は未読だけど、白石監督と同じようなことを見ていて感じた。自分は文章にすることができなかったけど、白石監督が見事に文章として『日々ロック』についてツイートしていた。

トワイライト ささらさや』

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オサレさんがInstagramに投稿している映像という感じがして不快だった。空撮によって「ささら」をミニチュア風に撮影しており、それもまた不快(インスタ云々に繋がる)。
憑依ネタということで視点を極力固定しておく意図は分かるが、それもまた不快。

授乳シーンにおいて、新垣結衣自らが授乳していますというような画を作り出した意味が理解できない。「乳房に吸い付く赤ん坊」→「授乳している新垣結衣」とカット割りをする意味はあったのだろうか。謎すぎる。

今作において一番の功労者は中村蒼だ。中村蒼がいなければ取り返しの付かない事態になってしまっていたと思う。

同じ事務所の新垣結衣はいつも通り(ちなみに能年玲奈も同じ事務所)。つまり彼女の主演映画には面白いものがないってこった。

(11月1日~11月30日)